閑話休題:今年の読書を振り返って
読書の記録を残していることの一つの利点は、このようにメタ記録が作成出来ることである。今年もいかがなものかと思うくらい怠惰に文字を追った生活を行ったが、せっかくなので記憶に残った作品を思い返してみたい。
森達也:[A]、「放送禁止歌」、「世界が完全に思考停止する前に」
ジャック・カーリー;「百番目の男」、「デス・コレクターズ」
徐京植:「ディアスポラ紀行 ー追放された者のまなざしー」
芦原すなお:「ブルーフォックス・パラドックス」
目取真俊:「水滴」
ダグラス・アダムズ:「銀河ヒッチハイク・ガイド」
高橋源一郎:「一億三千万人のための小説教室」
ジェフリー・ディーバー:「クリスマス・プレゼント」、「青い虚空」
J. G. バラード:「コカイン・ナイト」
松尾由美:「スパイク」
林譲治:「ウロボロスの波動」
なだいなだ:「民族という名の宗教」
柳広司:「トーキョー・プリズン」
山田風太郎:「明治バベルの塔 万朝報暗号戦」
奥田英朗:「サウスバウンド」
石黒達昌:「冬至草」
ジョージ・R・R・マーティン:「七王国の玉座シリーズ」
日向亘:「世紀末大バザール 六月の雪」
マイクル・Z・リューイン:「沈黙のセールスマン」
森福都:「十八面の骰子」
天城一:「宿命は待つことができる 天城一傑作集3」
斎藤美奈子:「あほらし屋の鐘が鳴る」
津原泰水:「ブラバン」
計27冊か。。評価に微妙なところもあるが(つまりこれ以外にも楽しめた本は当然色々あるのだが)、心から楽しめたと言える本が10冊から12冊に一回あると言うことは、これはなかなかの遭遇率だと思う。今年の収穫はリューインを見つけたこと、柳広司氏が活発に出版されたこと、山田風太郎の明治物の素晴らしさに心ふるえたこと、津原泰水の「ブラバン」に出会ったこと、松尾由美「スパイク」を読み返したこと、そして森達也をほとんど読んだことか。人生は短く世に存在する文字は無限である。急がねば素敵な文章を見ることなく寿命が尽きてしまうが、文字ばかり読んでいるとこんどは飢え死にしてしまいいっそう文章が読めなくなってしまう。難しいところだ。来年も平穏無事に活字を追える年になるといいなあ。それでは皆様、良いお年を。