閑話休題:夏と海

基本的に超インドア派である僕を知っている方々はみんなこの話をすると信じられないという顔をするのだが、今年三月からスクーバダイビングをはじめました。そもそも一昨年の春に石垣、竹富、西表に遊びに行った際、あまりの海の美しさにこれはなんとしてでも潜らねばと思い、実際にはじめるまでには1年かかったのだが、最近は念願の沖縄の離島でのダイブも行い、なんだかすっかりダイバーな気分なのです。ダイバーと言えば、平石貴樹の「誰もがポオを愛していた」に出てくる、アメリカの田舎のダイバー同好会のおじさん(確か名前はブルシットさんで、湖に沈んだ遺体を探すために湖での潜水を警察から依頼され、嫁さんに嫌な顔をされずにダイブを楽しめるといっていたものの、うっかり死体を見つけてしまい大変にショックを受けていた人)くらいしか思い浮かばないのだが、これが潜ってみるとなかなかのもので、初めて20キロの機材を背負いレギュレータやらオクトパスやらのホースをぶら下げて立ち上がった時にはとても正気の人間が行う所作とは思えず我ながらいったい自分は何をやっているのだろうと思ってみたりもしたが、水中では重さも一切感じず結構楽しいものなのです。そのうちに慣れてきて魚も見えてくるようになると、ああ、これはライブ水族館なのだなあと思い、と言ってしまうとそれまでなのだが、不思議なことにやみつきになる面白さはあるのです。最近は伊豆に日帰りで行くことが多いのですが、何が楽しいって港からボートに乗ってポイントまで移動する間が楽しい。大抵10分くらいなのだが、その7時間前までは机に向かってキーボードを叩いていたのが、今はおんぼろ漁船で海の上と思うと、この異常な非現実感が日頃のストレスやもやもやや深い深い不安を少なくとも数時間は打ち消してくれる、とても楽しい経験ができるのであります。

と言うわけで、今日の夜からダイビングもかねて1週間ほど旅行に出ます。旅先で更新が出来れば更新しますが、できない可能性が高そうです。旅先で読む本も7冊買いました。重いので持って行くのは4冊にします。1冊はすでに読み終わってしまいました。