閑話休題・散歩日記

別に歩きたかった訳ではないが、いろいろな理由のために渋谷から代々木まで歩く羽目に。

久しぶりに歩いた明治通りは、やはり面白い。東京は歩くだけで面白いから、好きなのだ。渋谷の電気街とかパチンコ屋とか思い出したくもない「まちづくりセンター」とかがあるよそよそしい界隈を抜けると左手に汚い公園、右手にはちっちゃなプラダとかあっていきなり不思議な気分になる。そのままぼんやり歩いていくとほんの少しだけ、昔の趣を残すぼろっちい木造二階建ての珈琲屋があるが、ほとんどは新しめの商業ビル。やはり街道筋は道路拡張のために色気が残らないなあ、、と思いつつ原宿に着いてしまい、あまりの人の多さに今度は腹が立ってくる。でも竹下口を抜けると嘘みたいに人が少なくなり、一転住宅地に。結構やらしいデザインの住宅が多く、誰がすんでんのかなあと思いつつ、都内最高と言われるメキシコ料理屋を通過。いい加減嫌になっては来たのだが、それでもふと前を見ると、明治通りに直行した高架道路の向かいに見えるのは、新しくなった共産党本部とドコモタワーとJRビル。手前にはどうしようもないマンションばっかりなのに、ふとみると前川国男ばりのモダンなマンションも。夕暮れ時の鋭い光の中で、本当に全てが美しくすっかり疲れを忘れてしまった。その後ごみごみした小道を通って代々木駅へ。いつも思うのだが、「日本の都市景観は醜い」なんていう人は、しっかり歩いて、しっかり見たことがない人だよ。少なくとも東京は、見れば見るほど微細で複雑でひねくれた美しさに溢れている。かなり疲れはしましたが。