閑話休題:朦朧とした日々を

先週の土曜日は卒業論文の発表審査会、みな毎日遅くまでよく頑張りました。原稿見ずに聞き手をまっすぐ見据えながらの発表に、とても素直に胸に伝わってくるものがあったと思うのは、けっして親馬鹿的心情の表れではないはずです。気も軽くなって恒例の打ち上げを終電まで。ぼくも書評に原稿に論文を固めてやっつけていたため、いつも以上にこころ晴れやかな気分となってしまい、いつもどおり飲み過ぎてしまったようです。


次の日は胸焼けを押さえながら浦安へ。いつもお世話になっている高橋堅さん設計のクリニックのオープンハウスにお呼ばれしたため。真鍮としっくいで仕上げられたクリニックは、足を踏み入れた瞬間こそまばゆく輝き、おしゃれで清楚な雰囲気を漂わすも、見れば見るほど滲み出る呆れんばかりのクラフトマンシップというか、素材とディテールに込められた怨念ならぬ執念というか、とにかくクールとはほどとおい高橋氏の世界が感じられ、クリニックというあくまで散文的な世界であるはずの場所との違和感に、二日酔いから来る眠気と頭痛は一気に吹き飛び、何か知らぬわき出る爽快な笑いを止められなくなってしまったのであります。



写真:受付廻り。中央が高橋氏。


写真:診察室から検査への廊下を見る。なんというか、とても診療所とは思えない。


その後折角なので西船橋経由で幕張までおもむき、東京モーターショーへ。およそガソリンで動くものに興味のないわたくしが生まれて初めてモーターショーなるものへ向かった理由は、スバルの展示をこれまたいつもお世話になっている廣瀬大輔氏が手がけているから(廣瀬氏の素敵な作品たちはこちらから!)。開催自体が危ぶまれたという噂も聞こえてくるなか、スバルのブースの浮遊感は他のブースを圧倒しているように思えたのは、個人的な思い入れからだけではありません。



しかし全体的になんだか地味だなあと思ったのは、やはりこの不況のせいなのでしょうか。エコだのハイブリッドだの言うのであれば、いっそいさぎよく公共交通機関か自転車に転換してはどうか。それが嫌なのであれば、一昔前のアメ車よろしくぶうぶうと二酸化炭素をはき出しながら化石燃料を燃やし続けるところに車の良さがあるのではないか。空気抵抗なんか考えず、とんがったデザインをすれば良いのになあと思いながら会場を見ていると、やはりハーレーとフェラーリはいい感じ。やっぱりこうでなくてはね。
そんなこんなでふらふらして帰宅して、疲れてしまったので駅前のお寿司屋さんで一人打ち上げ。卒論も無事終わったし、あとは卒計と修士論文修士設計かあ。12月になって本格化する前に、いろいろとたまったお仕事を片づけなければ。