閑話休題:猫を探して

竹中直人氏が写真家アラーキーを演じた「東京日和」のなかで、主人公が電車の中で二眼レフでこっそり対面のひとの写真を撮るシーンをみてからこのかた、ずっと二眼レフにあこがれを感じていました。でも、今使っているTCー1とローライ35ですら使いこなせていないので、まだ早いかなあと思っていたのですが、先日ヤフオクで国産の二眼レフヤシカフレックスC」が9千円で出品されていて、たまらず購入してしまいました。

先日3本ほど試し撮りをしてみたのだけれど、ブローニーと呼ばれるちょっと大きめのサイズのフィルムを使うため、現像に時間がかかります。我慢できなくて、千駄木に即日で現像してくれるお店があるのを探し出し、今日は写真撮りながらお店に自転車で向かいました。
使い始めで全然わからないので、とりあえず家の近所で試し撮り。

ただの美しい空き地です。それだけ。

まずは不忍池へ。撮りたいものは、もちろん猫のみ。でも、期待にそぐわずぜんぜんいなそう。人が多すぎるし、明るすぎる。猫の気配まったく無し。

花は咲き乱れて美しいのだけれど、ぼくはあまり興味がない。

じゃ、と思って東大へ。東大は、いつもなら安田講堂前の木陰に猫がいるんだ。と思ったら、こちらも猫の気配なし。夏休みで餌をくれる学生もいないから、猫も夏休みらしい。でも、東大はやっぱり古いだけあって素敵な建物がごろごろ。

右側の建物は、おそらく以前は車両の重量を計測していたもの。いまは使われていない様子。

それからゆっくりと自転車をこいで、谷中方面へ。学生時代によく歩いたけれど、やっぱりここには猫の気配が濃厚。

構造的にちょっと不安ですな。。。

そしたら、すぐに一匹目。

目つき悪くてかわいい。

そして二匹目。

とおりがかったお姉さんが「死んでない?」って。違います!毛皮着てるだけ、暑いんです。

そのままぶらぶらと写真屋にいって、現像に出して軽く昼食。できあがるまで、また根津や谷中あたりをぶらぶらしていたら、こんなところにも。

子猫さんでした。

その後「ねんねこ家」なる、ネコグッズとカフェギャラリーのお店を発見。そこにも猫がいっぱい。

室内なのでシャッタースピードを遅くしたら、ずいぶんと明るくなってしまった。なんだか神々しい。

現像したフィルムを取りにゆくみちすがら、もう一匹発見。

猫ってこういう、人が入れなくて逃げやすく、そして静かなところが好きなんですよね。

また、折角なので谷中のまちなみもいくつか。

いわゆる「谷中」的なベタな絵ですね。

立派なおうちなのに、立派な廃屋。どうしたのだろう。

質屋さんだそうです。

階段。それだけ。

しかし、ヤシカフレックス凄いです。思った以上に明るく、切れがある絵が撮れます。もう少し技術があれば、きちんとした露出で、ピントももっときっちりあわせて撮れるのだろうけど。これ、上手い人がとれば、デジタル一眼より美しいのではないかな。9千円とは思えません。おかげでまた楽しみが増えました。

自転車で走り回ったおかげで、心地よい疲労が。夕方自宅に帰ってすぐ意識がとぎれ、気がついたら21時。心の洗濯ができた一日でした。