大山顕:高架下建築
その名の通り、高架下に設置された建物たちのファサードを、時には淡々と、時にはダイナミックに切り取りながら、その魅力をあますところなく伝えた写真集。
大阪の中津の高架下にはじまり、環状線エリアや御影エリアなど、関西の素敵な高架下の建物や道路、商店街などをなめるように紹介した著者のまなざしは、こんどは東京の向島、千住・三河島、大井町、国道(これは鶴見の次の駅。初めて知った)、浅草橋、上野、神田など、実に渋い街なみを映し撮る。
写真そのものは、実は淡々としたというよりはずいぶん動きのあるドラマティックな表現がなされ、高架下の基本的に規格にあった建物を、過剰なまでに表情豊かに表現している。このような風景のどこがよいのだ、と思うのかも知れないけれど、このような視点で見なければ、ふつうは本当に日常の風景として見逃してしまう、そのような世界の中に、ここまでの美しさが潜んでいる、そのことを気づかせてくれるという意味で、とても世界を豊かにする表現だと思うのです。
いやー、ほんとうに素敵な世界ですよ。表参道とか、代官山なんかをぶらぶらしている時間あれば、是非有楽町のガード下にご参集下さい。みんなで新橋から有楽町まで歩いて、焼き鳥食べながらガード下の美しさを愛でましょう。
- 作者: 大山顕
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2009/03/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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