ジョー・ホールドマン:ヘミングウェイごっこ

ボストンの大学で任期付きの教職に就く主人公の男性は、ある日飲み屋である一人の詐欺師によってヘミングウェイの贋作詐欺にまきこまれる。ところがヘミングウェイ研究科である主人公はどんどんのめり込んで行き、一方でけしかけた詐欺師と主人公の妻はなんだか良い関係に。そんな感じで物語が進行すると思いきや、いつのまにか主人公が世界を崩壊から救うことになるはなし。

いや、作者がどんなにヘミングウェイを好きなのか、それはよく伝わりました。ただし残念なのは、僕はヘミングウェイを一冊も読んだことはありません。

前半から中盤にかけて、物語はいわゆるコンゲーム(犯罪小説)的に展開する。大森氏の訳文ももちろん巧みで、気持ち良く読み進めていたのですが、後半にかけてなんだかだれてしまう気がします。おそらく本人は書きたいことを書いたつもりなんだけれど、こういう小説を読むと、書きたいことを書きたいように書いている小説って本当につまらないなあと思います。ほんと、最後のほうなんかだからどうした、というか、よく分かりません。

ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)

ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)