研究日誌

いったいこんなに本ばかり読んでなにをしているのかと良く言われるのですが、大学で建築を教えております。でも任期付きの助教なので、ありがたいことに自分の研究をする時間もある程度頂いております。

明日からは知的障害者施設に三泊四日でお邪魔します。修士論文提出一週間前なのに、留守にしてみんなごめんね。でも、もう自分を信じて書きたいことを書けば大丈夫だから。日曜日の午後には梗概チェックするから、がんばろうぜ。

いま、いわゆる障害者の入所施設の環境は、自立支援法のもとで大きな変革期にあります。特に入所授産施設は、このままだと軽度のひとたちが住み続けられるか、とても難しい局面にあります。明日からお邪魔する施設は、この難しい時期にグループホームを増築することで、入居者の生活を継続させることを選んだ施設です。

確かに、施設から地域へとの気持ちはわかります。でも、いま入所施設にいるひとたちは、僕の知る限りでは長くて二十年以上も施設に住み続けている場合もある。そのひとたちに、地域に帰れといったって、どこが地域なのかわかりもしない。だからといって、施設に併設されたグループホーム(またはケアホーム)に移動することが、必ずしも良いとは思えないのだけれど。

先日施設にお邪魔しとき、わかってはいたけれども八畳間に4人の生活がこれまでずっとつづけられてきたことを目の当たりにして、やっぱりなにかが良くない、なにかがうまくいっていないと痛感させられました。

今回のリサーチでなにがどうできるとは思わないのだけれど、でもやっぱり行って見て聞いてから考えないと、なにもわからないとの思いをあらたにしました。でも、自分になにがわかるのか、なにを見ることができるのか、いつもわからない。そこがおもしろいのだけれど、とても難しい。