リア・ウェイト「死体あります」



アンティーク商を営む大学講師が、アンティークフェアで連続殺人事件の一つに遭遇する話。

全く聞いたことのない小説だったが、アンティークに関する蘊蓄がちりばめられているとの訳者の後書きに興味を持って購入、全くの期待はずれであり、題名を聞いたことがないのも腑に落ちた。なんというか、質としては習作のレベル。ある程度のプロットを考え、登場人物のキャラクター設定といくつかの伏線を机上で構築し、えいやあで書きました、というところか。アンティークに関する蘊蓄も大した物ではないだけではなく物語の本筋と全く関わらない。色々な登場人物の物語がいくつも語られ、ある種のそれらしさが盛り上がるわりには、最終的な解決に全く関係がなく、なんだか無性に腹が立った。登場人物の一人である知的障害者の扱いも、なんだか品が無く腹立たしい。