牧野修「傀儡后」

破滅的な隕石落下により異常地帯と化した大阪を舞台に、謎のドラッグや奇病が蔓延する世界で、弟の死を確信出来ない私立探偵や、友だちが失踪した高校生や、私立探偵の出来の悪い友人や、二人の謎の老人や、謎の女性や、ショッカーみたいな人々や、親に虐待されてそだった天才デザイナーの高校生達がなんだかやらかすはなし。

グロテスクなのだが、あまり構築されていないため全編にわたり冗談のような雰囲気が漂う。後書きを見れば連載小説とのことで、全体的に構成が感じられず、苦し紛れの大げさな書きぶりはここに由来するのかと納得。こういう小説が好みの人もいるだろうが、僕の趣味では残念ながらありませんでした。要は、あまりにもいきあたりばったりすぎるんだよなあ。途中であまりにも幼児的な発想から世界征服をたくらむ謎の集団が出現したり、謎の老人が突如追い落とされ中華料理屋で文句を言いながら飯を食ったり、こういうアドリブ感も面白いかとは思うのだが、僕は基本的には好き放題のアドリブ感は食いつけないもので。残念ながら読み飛ばしてしまった。