化野燐「呪物館 人工憑霊蠱猫」

霊なるものがうろうろしてて、呼び出すと都合良く出てきてくれる世界が舞台、本作では呪われた物が集められている「呪物館」に主要登場人物が集まり、一冊の本を手に入れようと派手な争奪戦を繰り広げる。

なんだか感想を書く気もしないが、これがならいなので一応。物語は一人の男性が突然襲われる場面から、その男性のモノローグの形式で始まる。これは確か前作も全く同じだった気が。なんだか意味が分からない。なんだか手抜きな雰囲気がするなあと思いながら読んでいたら、会話文が一文ごとに改行されている。しかも、一文一文が不必要に紋切り調で短い。なんだかなあ。どこのルールにこんな文章の書き方があるのだろう。しかも地の文もやたら改行が多く、ずいぶん空白がこの本多いよ。327頁で税別950円だが、このようなテクニックを使わず普通に書いていたら、ずいぶんページ数も抑えることもでき、定価も抑えることが出来たのではないか。しかし、いったいこれはどういうことなのだろう。以前から軽くて重みが無く、読んでも全く心に残ることの無いシリーズだとは思っていたのだが、それでもその軽さ故の良さはあったし、結構好きでもあった。しかし、本作はまるで時間がない中でやっとのことで粗筋だけ作り、ページ数を埋めるために会話文で改行をしまくっただけのような、そんな投げやりな雰囲気が漂う。物語については良く憶えていません。登場人物も、だれがだれやらさっぱりわからなかった。シリーズ物でほとんど説明無く設定付きの登場人物を使用するなら、登場人物紹介くらいつけてほしい。もうこのシリーズは買わないと思う。