ジョージ. R. R. マーティン「七王国の王座1 氷と炎の歌1」

七王国の玉座〈1〉―氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

七王国の玉座〈1〉―氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

古代イングランドを思わせる島国を舞台に、北方の国を守る王と、その親戚の島全体を統べる王が会見をする話。その間に、北国の王の子供が狼を拾ったり、そのうちの一人が屋根から足を滑らしたり、私生児が北に旅立ったりする。

どうやら壮大な物語の序章の一部らしく、物語の全体の骨格は全く見えない上にお話もまだまだこれからという感じ、人の名前が多すぎてよく分からず、登場人物の関係もいまいちよくわからない。でもまあ、雰囲気は良いしつまらなくは無かったので良いのではないでしょうか。この手の北欧神話系に範を採ったファンタジー物、騎士伝説系のお話というのは、「ハードボイルド」小説に似た雰囲気を持つことが多く、つまり男の「ハーレクインロマンス」として読むと非常に理解しやすいことがあり、だからこそ僕はあんまり好きではない。でも本作はそれとは多少路線を異にしていて、そんなに興醒めすることなく読める。例えば、指輪物語とかゲド戦記みたいな雰囲気もある。しかし、いかんせん物語と話し言葉が大仰に過ぎ、のめり込むようなストーリーが示されない中で読み進めるのは多少体力を使うことも確か。もうすこし物語が展開してゆけば面白くなるのだろうが。とりあえず次の巻は買ってみると思います。