マイケル・ムアコック「メルニボネの皇子 永遠の戦士エルリック1」

メルニボネの皇子―永遠の戦士エルリック〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

メルニボネの皇子―永遠の戦士エルリック〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

病弱のアンチヒーローであるメルニボネ帝国の皇帝エルリックが、やることなすことうまくいかない中で、いとこに帝国を乗っ取られそうになって瀕死の事態に陥ったと思ったら水の精霊の王に助けられたり、気まぐれに旅に出たら毒を盛られてかぐや姫張りの大変な旅に出る羽目になったりするはなし。


殊能大先生が著作やブログで何度も言及していた作家の本が書店に並んでいたので即購入。難しかった。この手の本はなかなか苦手な部類で、何とも面白さを味合うところまで物語に入り込むために時間がかかってしまうことが多い。最近もこの手の4冊組の本を読んで、うーんと思ったが書名を忘れてしまった。とにかく、なんというか、ファンタジー的な描写って、抽象的すぎて訳が分からなくなってしまうのです。それが翻訳のせいなのか、原文がそうだからなのか、よく分からないのではあるが、こういう雰囲気だがらわかれ、って言われているような気分になることがあり、ちょっとついて行けない。


この物語も、二つの話からなるのだが、どちらも現実的な世界から異世界に入り込むという構成を持つのだが、異世界の描写があまりにも何でもありで、ちょっと待ってくれ、っていう気分になってしまう。構築されていないアドリブは、想像力の羽ばたきとは呼びきれないところがあるんだよなあ。不思議なことに物語自体の構成力の強さは伝わってくるだけに、何とも言えない感じ。とりあえずこれなら次回の物語も読んでみようとは思うのだが。うーん。