ダグラス・アダムズ「世界の果てのレストラン」

宇宙の果てのレストラン (新潮文庫)

宇宙の果てのレストラン (新潮文庫)

銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズの第二弾。登場人物の一人が突然「銀河ヒッチハイク・ガイド」の本社ビル前のカフェにとばされ、「銀河ヒッチハイク・ガイド」の社長か誰かに会おうとしたらビルごと拉致され、そうこうしているうちになぜか「世界の果てのレストラン」に仲間と共にたどり着き、宇宙船を強奪して旅に出るものの数百万年前の地球にたどり着いたりする。


悪い予想は的中というか、なんとも残念なことに面白くない。ストーリーが行き当たりばったりにすぎ、なにがなにやらよく分からない。おそらくラジオドラマのコメディーのテンションなのだと思うが、構築されたものからの逸脱ではなく、たんなるアドリブは全く楽しくない。たとえアドリブにせよ、確かな技術やグルーブ感があればよいのだが、前巻に感じられたうなりを上げるようなグルーブ感は無く、むしろ物語をなんとかひねりだし、つじつまをあわせようという悲痛な努力が感じられてのめり込むことができない。これも前巻ではいたるところに見られたひねりと皮肉にまみれた、それでも笑えてしょうがない表現も、この巻では切れも冴えもない。最後まで物語がよく分からず、読み通すことが辛かった。巻末の訳者解説もどことなく弁護的に感じられる。