ダグラス・アダムズ「世界の果てのレストラン」
- 作者: ダグラス・アダムス,風見潤
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1983/04
- メディア: 文庫
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悪い予想は的中というか、なんとも残念なことに面白くない。ストーリーが行き当たりばったりにすぎ、なにがなにやらよく分からない。おそらくラジオドラマのコメディーのテンションなのだと思うが、構築されたものからの逸脱ではなく、たんなるアドリブは全く楽しくない。たとえアドリブにせよ、確かな技術やグルーブ感があればよいのだが、前巻に感じられたうなりを上げるようなグルーブ感は無く、むしろ物語をなんとかひねりだし、つじつまをあわせようという悲痛な努力が感じられてのめり込むことができない。これも前巻ではいたるところに見られたひねりと皮肉にまみれた、それでも笑えてしょうがない表現も、この巻では切れも冴えもない。最後まで物語がよく分からず、読み通すことが辛かった。巻末の訳者解説もどことなく弁護的に感じられる。