リリー・フランキー「美女と野球」



やけくそアップ大会第五弾。リリー・フランキー様が各所でかかれた雑文と駄文を集めたもの。全編にわたりくだらないものとどうでも良いことに対する愛が大声で歌われる。

最高。表紙も良いが内容も良い。とにかく話題がくだらない。中華料理屋に行って便所に入り大便をしたら、流れがわるくて逆流してきてびっくりとか(この話は食事中に読んだ)、豊島園の片隅のグラウンドで行われていたコリー犬の大会で優勝した人はどう見ても極道っぽかったとか、ベトナムで買春をしたら相手があまりにいい女だったのでコンドームをしなかったオヤジの話とか、どう考えてもサイコ系の精密画を投稿してくる男の絵があまりに素晴らしいので個展を開いた話とか、引きこもりの双子にインタビューしたところ作り話じゃないかと言われた話とか、自宅でヌードグラビアの撮影をした話とか、とにかくそんな感じ。いちいち脱力感に溢れていて意味がなくくだらない。とても素敵。なんだかんだいって、この人文章のセンスが凄い。切れもあるし引っ張ってゆく力も強い。たまに、この回は書くこと無くってお茶濁しちゃいましたね、ってかんじの時もあるが、基本的にはクオリティが素晴らしく高い。この、世界を斜めから見る視点は結構冷静でかつ批判的で、おちゃらけた雰囲気とはまったくちがう温度が感じられ、たまにはっとする。今日はつかれたからこの辺で終わりにします。