倉阪鬼一郎「紫の館の幻惑 卍卍教殺人事件」

紫の館の幻惑 卍卍教殺人事件 講談社ノベルス

紫の館の幻惑 卍卍教殺人事件 講談社ノベルス

人間として世の片隅に住む吸血鬼の人々が、吸血鬼の集団内の過激派が偽装する卍卍教という新興宗教集団に乗り込み大暴れ。

ネットのどこかで「倉阪鬼一郎の全てが表現されている」と書かれていたので、これはお買い得だと思い購入。オカルト趣味で、悪趣味で、はちゃめちゃで、下品で、猥雑で、それなりに文章は流麗で、でも馬鹿馬鹿しくて、面白かったがもういいや。この人はいっぱい小説を書いているみたいだが、創作は本当に好きなのかなあ。渋澤龍彦的に創作は下手でも翻訳やエッセイは上手い、というタイプの人のような気がするのだが。しかしイギリスのテロで、ブレアが「これは全ての人々、全ての文明への挑戦だ」と言っているが、これは当然正確ではない。コソボに爆弾を積極的に落っことしたり、イラクで積極的に破壊活動を行う国が狙われていると言うのが本当のところであろう。