Aaron Elkins "Good Blood"

三つ読んだ中で一つは当たったエルキンスの、最新作の原書を丸善で発見したので、内職のためのトレーニングもかねて久しぶりに英語で読書をした。おそらく6日間程度かかったが、980円なので日本語の本を買い続け読み続けるよりは経済的には健康的か。

辞書を引くのはめんどくさいので適当に流し読みしたが、おそらく単語レベルでは6〜7割くらいしかわからない。でも、まああんまり面白くないことはわかった。というか、やはりこの人は子ども向けだな。イタリアのなんとかという島で、30年ほど前に血縁を守るためにいろいろ画策した結果がその後思わぬ出来事を呼び覚まし、いろいろな破綻が生じてゆくところに骨格学者のギデオンが居合わせねじれた糸を解きほぐしてゆくのだが、構成が古くさい。物語自体は極めて伝統的な推理小説の様式にのっとり、ある程度結果が予想される中で、「意外」な犯人と顛末が最終的には決定され、それに沿っていわば技術的な問題点がちくちくと解決されてゆく。「意外」な犯人とか真相って、結局のところ極めて計画的に配置されているので、驚きも無ければ感動もないんだよなあ。いわば芸の世界なんだけど、あんまり凝ってはいない。主人公は相変わらず多少発情気味で鬱陶しい。サブキャラクターも精細はない。もうこのシリーズに作者が飽きたか。