津原泰水「ペニス」
- 作者: 津原泰水
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2001/03/01
- メディア: 単行本
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いわゆる幻想小説だが、よくよく考えると今まで読んだ幻想小説と呼ばれるものには面白いものがなかった。で、これもあまり面白くない。ストーリーが成立していないため読み通すモチベーションがあがらず、充満する奇妙な雰囲気は独特だがあまり趣味ではない。いろいろな要素があまりに不愉快なこと自体はとても良かったのだが、描写が上手すぎて本当に気持ち悪い。笠井潔が解説でいろいろと難しいことを書いているが、ピンとこない。おそらくこの小説はあまり出来が良くないよ。「奇譚集」にもでてきたエピソードが散見されるし。この人には繊細で諧謔味にあふれた物語を書いてもらいたいなあ。それにしても「赤い竪琴」は素晴らしかった。