藤木稟「殉教者は月に舞う」

殉教者は月に舞う (カッパノベルス)

殉教者は月に舞う (カッパノベルス)

近未来の東京湾上に建設された人工島にある研究所で起こった不思議な殺人事件のはなし。

趣味が合わないという以前に多くの問題があるように感じた。まず、日本語の使い方がどうしてもおかしいと感じる箇所が数カ所ある。登場人物の話し方もアニメのようで気持ちが悪い。伏線らしき記述は最終的に何も意味しない。「アルド・ロッシ」が設計したということになっている建物の記述は、どう考えてもアルド・ロッシ風ではない。何の解説も無くPETなどという医療機器が出てくる。被疑者を拘束した刑事が、指の骨を折るなどの拷問をしてから所轄に搬送する。あれやこれやが非常に気になって、とても筋を追うどころではない。結局誰が犯人だったのかよくわからなかったが、気にもならなかった。