内田樹、春日武彦「健全な肉体に狂気は宿る―生きづらさの正体」

武道論・フランス現代思想が専門の内田氏と精神科医の春日氏の対談。とても素敵な表題だと思ったのだが、内容は期待はずれ。主張にはところどころ頷けるところもあるが、結局は主に内田氏のマッチョかつ情緒的な健康観が開陳される。結局ある種の「健全」性を、相変わらず押しつけてるだけではないか。内田氏の主張は、ほとんどが自分の体験自慢、自分自慢で、ある意味ほほえましい。それに対して春日氏は明らかに引きながら結構鋭いことを言う。春日氏の議論をもっと読みたかったのだが、いかんせん内田氏がしゃべりすぎて残念。